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Tvůrce: MBS
柔らかな語り口が評判の奈良大学教授・上野誠さんが、万葉歌を毎週一首ご紹介していきます。歌に織り込まれた、自然・暮らし・恋愛の機微をお楽しみください。
足柄の箱根の山に粟蒔きて 実とはなれるを 会はなくもあやし
富士の嶺のいや遠長き山路をも 妹がりとへば 日に及ばず来ぬ
筑波嶺に雪かも降らる 否をかも かなしき子ろが 布干さるかも
信濃なる須賀の荒野に ほととぎす鳴く声聞けば 時すぎにけり
泉川渡瀬深み わが夫子が 旅行き衣 ひづちなむかも
天地の神をもわれは祈りてき 恋とふものは さね止まずけり
今さらに恋ふとも君に会はめやも 寝る夜を落ちず 夢に見えこそ
わがこころ焼くもわれなり はしきやし 君に恋ふるもわが心から
二つなき恋をしすれば 常の帯を 三重結ぶべく わが身はなりぬ
衣手葦毛の馬の いばゆる声こころあれかも 常ゆ 異に鳴く
端垣の久しき時ゆ 恋すればわが帯緩ふ 朝夕ごとに
磯城島の大和の国は 言霊の助くる国ぞ 真幸くありこそ
磯城島の国に あなたのような人が二人いると思っていたら どうして嘆くことなどありましょうか
天なるや月日のごとく 吾が思へる君が 日にけに老ゆらく惜しも
逢坂をうち出でて見れば 近江の海 白木綿花に波立ち渡る
月日は変はらひぬとも 久に経る 三諸の山の離宮所
あしひきの片山雉 立ち行かむ君に後れて 現しつけめやも
筑紫路の荒磯の玉藻刈るとかも 君は久しく 待てど来まさぬ
住之江の岸に向へる淡路島 あはれと君を言はぬ日はなし
草枕旅行く君を人目多み 袖振らずして あまた悔しも
志賀の海人の釣し燈せる漁火のほのかに妹を見むよしもがも
門立てて 戸も閉したるを何処ゆか 妹が入り来て 夢に見えつる
馬柵越しに 麦食む駒の 罵らゆれど なほし恋しく思ひかねつも
海人をとめ 潜き取るとふ忘貝 よにも忘れじ 妹が姿は
三輪山の山下響み行く水の 水脈し絶えずは 後もわが妻
橡の袷の衣 裏にせば われ強ひめやも 君が来まさぬ
わが命の長く欲しけく 偽りをよくする人を捕ふばかりを
二人して結びし紐を 一人してわれは解き見じ 直に会ふまでは
他国に求婚に行きて 大刀が緒も いまだ解かねば さ夜ぞ明けにける
世間の人の言葉と思ほすな まことぞ恋ひし 会はぬ日を多み
里人も語り継ぐがねよしゑやし恋ひても死なむ誰が名ならめや
人妻に言うは誰が言 さ衣のこの紐解けと言ふは誰が言
白たへのわが紐の緒の絶えぬ間に恋結びせむ 会はむ日までに
人の見る表は結びて 人の見ぬ裏紐あけて 恋ふる日ぞ多き
忘るやと物語りして 心遣り過ぐせど過ぎず なほ恋ひにけり
わが背子が朝明の姿よく見ずて 今日の間を恋ひ暮すかも
雲居なる海山越えてい行きなば われは恋むな後は相寝とも
筑紫地の荒磯の玉藻刈るとかも 君は久しく待てど来まさぬ
味鎌の塩津を指して漕ぐ船の名は告りてしを会はざらめやも
笠無みと人には言ひて雨つつみ留りし君が姿し思ほゆ
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